音楽大学は、何のために行くのか?

「音楽大学って、何のために行くんですか?」
最近、この質問を本当によく聞きます。
そして最近の音楽大学では、
「一般就職にも役立つから」
という理由で音楽を勧めるケースも増えてきました。
確かに、音楽大学で身につく力はあります。
長時間の練習、目標に向かって努力し続ける姿勢、
本番で結果を出す集中力。
これらは、一般企業の仕事にも通じる部分があります。
ただ――
それでも言いたいことがあります。
せっかく音楽大学に入ったのなら、
「音楽に関わる仕事がしたい」
そう思っている人も多いはずです。
ここから先は、
そんな方に向けて書きます。
音楽大学は、大学としては
就職率を上げたいという事情があります。
しかし、音楽家の多くはフリーランスです。
演奏家、指導者、作曲・編曲、サポートミュージシャン…。
こうした働き方は「就職」としてカウントされにくく、
正確な就職率を出すことができません。
音大の就職率は
「約60%前後」と言われることがありますが、
実態としては
もっと低い可能性があると感じています。
もちろん、音楽に関わる就職先が
まったく無いわけではありません。
- 学校の音楽の先生
- 音楽教室の講師
- コンサート企画・音楽事務所
こうした道に進む方もいます。
ただし、
オーケストラの団員として活動できる演奏者は、
本当にごくわずかです。
倍率も高く、
年齢やタイミング、運の要素も大きい世界です。
現実には、
- 音楽教室の講師をしながら
- アルバイトを掛け持ちしながら
- 演奏活動を続けている
という音楽家も非常に多くいます。
これは「失敗」ではありません。
ただ、音大に入った時点で想像していた未来とは違う
という人が多いのも事実です。
では、音楽大学は無意味なのでしょうか?
答えは NO です。
音楽大学は
「音楽家として生きる覚悟を決める場所」
だと思っています。
ただし、
音楽が上手いだけでは仕事にならない
という現実も、
できるだけ早く知る必要があります。
演奏に加えて、
- 自分をどう見せるか
- どう仕事につなげるか
- どう収入を作るか
ここまで考えて初めて、
音楽大学で学んだことが
「生きる力」に変わります。
音楽大学は、ゴールではありません。
スタートラインです。
その先をどう生きるかで、
音大の価値は大きく変わります。
音楽で生きたいなら、
音楽と同じくらい
現実とも向き合うこと。
それが、
誰も教えてくれない
音大の真実です。